小川洋子

ついに!小川洋子博士の愛した数式」を読みました。
うっわーこの人大好きだよ俺!文体も、構成も含めてクリティカルヒットでした。
俺的女性作家ランキングでは梨木香歩につづき2位の座に躍り出ました。
・・・ちなみに3位になったのはワタヤリサです。
さすが話題作だっただけありましたね。もっと早く読んどけばよかった。


実にそっけない文体で、全体をとおして落ち着いた雰囲気なのに「読ませる」。
のめりこんでしまう。
そうだ、この感覚は村上春樹に似ています。
作者の書きたいこと、美的感覚、世界観、文体、ストーリーの展開が非常に上手く調和しているから、このように読者を飽きさせず、どんどん引き込んでいく力が自然と生まれてくるのではないだろうか。

引力のある文章。


マイブームの波に乗って、文庫で出てる小川洋子の「薬指の標本」を買いました。
なんちゃて、実はジャケ買いです☆(本にジャケ買いって言葉使えんのか?)
表紙が素敵。勝本みつるさんという芸術家の人の作品で、以前絵本の専門雑誌(MOEだったか?)で特集されているのを見て、ずっと好きだったのです。
うふふ、こういう試験管だの球体人形の足だの、少々ゴスっ気のある文型理科少女にはツボなのですよ。
っていうか、だから「薬指の標本」ていうタイトルに思わず手が出てしまったんだよ!
内容は、文体こそ違わないが「博士」に比べてずいぶんと雰囲気が変わっています!
ちょっとびっくり。恋愛もの?だけど、ちょっと残酷な、耽美交じり、濃密な感じです。でも困ったなあ、こういうのも好きなんだよ。依存的な恋ね。ちょっとグロテスクな。でも憎悪とかじゃなくって、あくまで個人は個人として冷たいほどさっぱりしてるんだけど、何か二人のなかの常識はずれな決まりごとがあって・・・みたいな。(それって裏を返せばゲロ甘なのかもしれないがな、わからん。)
まあ、色々な意味で北村薫を思い出した。。。北村好きは「薬指の標本」絶対ツボ。

フランスで映画化されるらしい(仏蘭西ではジャパニーズ小川の知名度ってそんなに高いのでしょうか?高かったらいいなあ。)
この小説の舞台となる不思議な造りの古アパートや、標本室、中庭などの描写も本当に美しい作品なので、映像化がすごく楽しみ☆

あ、今気づいたけど、小川洋子自身も結構文型天然理科少女なのでは?
だって、数学博士と標本師とか魅力的な人はみんな理系ですよ?白衣好き?(おいおい)
それに、登場人物が、標本氏とか六角形の部屋の番人だとかファンタジックな職業を
もっているあたり春樹好きにはたまらない世界でしょうね。