吾妻橋ダンスクロッシング 

ダンスを中心としたパフォーマンスイベント。
途中休憩15分をはさんだ2時間、9人の演出家(振付家)それぞれによる短い作品が上演される。パンフレットの言葉を借りれば「ステージ上のコンピレーションアルバム二枚組」、こっちの方が雰囲気が伝わりやすいだろうな。


「ボクデス」を観てみたい!というのが今回のイベントに行く動機だった。実は出演者のなかで知ってるがそれしかなかったんだけど・・・さすがにアタマとトリでした。
いろんなチラシに載ってる「蟹ダンス」の写真から私が勝手に想像したのとはちょっと違っていたようだった。今回だけかな?もっと暗いと思ってたんだけど。意外に音楽重視というか、音楽に合わせてパフォーマンスするという要素が強かった。そりゃあ面白かったけどね。ハエ捕りのダンス(ハエ捕りを持ってピヨピヨしてるの)なんてすごい好きだ!蟹ダンス観たいなあ・・・


他、好きだと思ったのは「康本雅子」と「ぼくもとさきこ」。

康本雅子
ダンス自体はクレイジーで、呪術的、憑き物っぽい。そして早い!ときどき低い声でぼそぼそと言葉(特に意味はないような文章)を発したりする。とこう書くとすごく怪しい感じがするけど、芸術作品として完成していて、とても良かった。
衣装の効果やダンサーの体型、音楽、声それらのパーツがダンスと上手く組み合わさって全体の表現になっているところは、他のアーティストと比べても洗練されていた。短い時間のダンスなのに、2時間ほどの演劇を観たような気分になる。すごい充実。
「おんぶ」っていうのはパフォーマンス的に(視覚的に)ハッとする面白さがあるようです。


※「おんぶ」って、人が人を「おぶる」の幼児語だよね?



「ぼくもとさきこ」
演劇ベースのパフォーマンスで、笑いのツボをついてくる。私は個人的に「脈絡のない会話を真剣にする」ことが好きで、そのくだらなさがツボなのだけれど、それをやってくれたので大ウケ。具体的にいえば・・・
突発的に誰かが「ここは世田谷区じゃない!!」と言って、「じゃあここはどこなんだー!」と誰かが返すの
→ごめん、言葉じゃよくわからないよね。



全体的な感想をいうと、どこが面白いのかとがんばって探してみれば面白がれるパフォーマンスもいくつかあったように感じた。つまり、観る側が気を抜いてると何が面白いんだかわからなくなってきて、冷めちゃうようなもの。私が観劇素人だからかもしれないけど。
まあそれはそれでいいのかもしれない。みんなが評価するパフォーマンス(表現)っていうのも信じられないから。

舞台でも絵画でも、コンテンポラリーアートっていうのはだいたい手放しで「面白ーい☆」「きれーい☆」「かわいー☆」ってことにはならないと思う。具体的な表現じゃないからなのだろうか、観ている側になにやら「不思議」で「不安」な気持ちを抱かせる。
今回、25日昼の公演では「笑える」+「不思議」というのが多かったから、ここで笑っていいのか悪いのかわからないという瞬間がときどきあって私は不安だった。
今はその不安を感じることとかも面白いんだけど、昔まだピュアピュアな児童だったころはその「不安」が「恐れ」と区別がつかなくて、舞台とか観に行くの嫌だったなあ・・・。


まずい、話がそれてきた。