ノロイ

待ってても なにも飛んではこないまま なぜか勝手に閉められた窓

・・・そんな気持ちである。

というのも、
とあるイベントのスタッフに参加していたつもりなのが、手続きミスのためリストに名前がなかったらしい。
忙しくなくなったからいいけど、ちょっと寂しい。
秋学期にやることが一つ減った。



高原英里と穂村弘トークショウに行ってきた。
<イヶてるイヶてない地獄>というタイトル。青山ブックセンター本店にて。高原さんとほむほむが、生身で体感した80年代をゆるゆる語った。


「呪いを大切に」という高原さんの名言が乙である。

「呪い・・・」と言った瞬間に、聴衆の数人が思わず「ノロイ!」ともらしたほど、サマになっていた。高原英里らしいというか、凄みがある。

創作の素は、「呪い」である。
「呪い」とは、生きていれば否応なくうまれてしまうルサンチマン、世界や人や自分に向けられるでろりとした怒り不満怨念のこと。これを積み上げて積み上げて、その結果に良い表現が生まれるのだ。という話だ。
別に、耳に新しいことではない。これと同じことを、高校時代に言った友人がいた。
マイナス感情がたまってる今の時期が、過ぎてしまうのがもったいない。
創作のためのエネルギーが、年々減っていくのがわかると。そんなようなことを言っていたと思う。

そうすると、ここ数年私は創作より「呪い」を減らす方を選択をしてきたことになる。
「呪う」前に「諦め」に化学変化させることが可能である。
怒らない。怒るまえに忘れることができる。


でも、「呪いを大切に」って。
しかも憧れの作家さんに、改めて言われてしまうと困る。
ノロイ」っていう響きのカッコよさに、騙されてしまいそうで危ない。